カテゴリー
エンタメ

【勝ち組?】カプコンの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

カプコンは、家庭用ゲーム機・PC・スマートフォン向けゲームなどを手掛ける大手ゲーム会社。1979年に辻本憲三がアミューズメント機器大手・タイトーの協力を得て創業。創業直後はメダルゲーム機を主力としたが、1991年に『ストリートファイターⅡ』で社会現象を引き起こした。1996年に『バイオハザード』、2001年に『逆転裁判』、2004年に『モンスターハンター』を生み出し、ゲーム業界の大ヒットメーカーへと発展。現在ではゲーム業界9位の売上高を誇り、売上高の約83%を海外市場で稼ぐ。

POINT

・ゲーム業界9位、海外人気が高いために海外売上高比率は80%以上
・売上高・利益いずれも右肩上がりで絶好調、無借金経営で手元資金潤沢
・平均年収832万円、新卒初任給30万円に引き上げ待遇改善を図る

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:64(中堅上位)

サラリーマンの中堅上位クラスの待遇を得られ、世間的にも有名企業・大企業勤務として認知される。サラリーマンとして安定した人生が得られるが、入社するには人並み以上の努力が必要だろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:やや難関

採用実績は年間140名~160名と企業規模の割にはかなり多め。ただし、クリエーター・開発職の採用枠が多いために芸術大学・専門学校からの採用も多く、ハイレベル大学の出身者が必ずしも有利でもない
採用大学:【国公立】大阪大学・東京工業大学・広島大学・電気通信大学など、【私立】東京理科大学・日本大学・東京電機大学・東京工科大学など、【専門学校】HAL・ECCコンピュータ専門学校・バンタンゲームアカデミーなど(出典:カプコン新卒採用

業績動向

✔売上高と営業利益

カプコンの売上高は2020年まで900億~1,000億円レベルで推移していたが、同年以降は増加傾向に転換。直近の2023年には1,524億円に到達している。営業利益も右肩上がりで増加しており、直近の2023年には570億円に到達。
*1:当社の業績が拡大傾向にある理由は、①為替レートの円安推移による為替効果、②北米・アジア・欧州など海外市場における販売本数の増加、③長期的に販売本数が伸び続けているヒット作による継続収入、など。例えば、2017年に発売された『モンスターハンター:ワールド』は2023年までに累計2,530万本を売り上げ続けている。

✔セグメント別の状況

カプコンは、デジタルコンテンツ事業(家庭用ゲーム機・PC・スマートフォン向けゲームなど)、アミューズメント施設事業(アミューズメント施設運営など)、アミューズメント機器事業(店舗設置型の遊技機器など)、その他事業(二次的著作物の企画・制作・ライセンス許諾など)、の4事業を有する。
当社の祖業であるアミューズメント機器・施設分野も今なお一定の規模があるが、現在では売上高の78%・利益の89%をデジタルコンテンツ事業が占めている。

✔最終利益と利益率

カプコンの純利益は長期的な増加傾向が続いており、直近では433億円に到達している。営業利益率は2018年まで18%前後で推移しているが、同年以降は急上昇。2022年には営業利益率40.3%台にも到達し、任天堂をも上回るゲーム業界トップの利益率を誇る。
*2:2019年から営業利益率が急上昇した理由は、①パッケージ販売からデジタル販売への移行による利益率向上、②為替レートの円安推移による為替効果、③高品質タイトルの連続リリースによる継続収入の増大、など。

✔自己資本比率と純資産

カプコンの自己資本比率は80%以上の高水準で推移しており、実質無借金経営も達成している。安定した利益体質と高利益率を踏まえれば、倒産リスクとはまず無縁であろう。純資産も右肩上がりで増加しており、直近では1,951億円に到達している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

カプコンの平均年収は業績拡大に連動して増加傾向にあり、直近では832万円に到達している。総合職の場合、30歳で年収500万〜600万円、課長職レベルで年収800万~900万円が目安。平均年齢も37.8歳とかなり若め。

✔従業員数と勤続年数

カプコンの単体従業員数は業績拡大に連動して増加傾向にあり、直近では3,188人ほどの組織規模。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は3,531人ほど。平均勤続年数は直近で11.1年とそれほど長くはないが、人材の流動性が高いゲーム業界であることを踏まえると問題はない。

総合評価

企業格付け:BB

ゲーム業界において売上高こそ国内9位に位置するものの、2023年には営業利益率において上場企業ゲーム会社トップに輝いたスーパー企業。1990年代までは『ストリートファイター』のヒットこそあれど業界中堅の位置づけであったが、1990年代から2000年代前半にかけて大ヒットタイトル『バイオハザード』『モンスターハンター』などを続々とリリース。現在においては海外売上高比率80%以上と世界的人気を誇るゲーム会社へと躍進した。売上高は2020年頃から右肩上がりで増加しており、直近では1,524億円に到達。利益もしっかりと伸ばしており、直近では営業利益570億円を記録している。為替レートの円安推移による為替効果もあったものの、北米・アジア・欧州など海外市場における販売本数の増加や、長期的に販売本数が伸び続けているヒット作による継続収入が業績拡大の源泉となっている。

就職格付け:B

数多くの大ヒット作を生み出してきた名門ゲーム会社であり、数多くのファンを抱える業界の人気企業。かつては平均年収500万円台と業界中堅の待遇であったが、昨今の業績拡大を受けて2023年には平均年収822万円まで増加。2025年度からは新卒初任給を23.5万円から30万円まで伸ばすと宣言しており、約30%もの増加が見込まれている(参考リンク)。福利厚生は基本的に給与に含みであるため特筆すべき事項はないが、強いて言えば株式報酬制度が一般社員にも用意されている点が珍しい。初年度から140株の権利が付与され、年間35万円相当の自社株が割り当てられる仕組み。ただし株式付与は10年後と相当先であるため、長期勤続に向けた従業員のモチベーションアップを狙ったものであると推察される。ゲーム会社としては珍しく、年間休日日数も123日と大手メーカー並みに確保されている他、開発社員に対しては営業利益の3%がインセンティブボーナスとして付与される。

就職偏差値ランキング【完全版】はこちら!

出典:株式会社カプコン(有価証券報告書)