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住宅設備

【勝ち組?】アイホンの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

アイホンは、インターホン・ナースコールなどを主力とする住宅設備メーカー。1948年に市川利夫がラジオ・拡声器メーカーとして創業。1951年にはインターホンの生産を開始、1952年にはインターホン専業メーカーへと業態転換。1955年にはナースコールを開発、1960年代には工場・法人向けの業務用インターホンにも参入した。現在では、インターホン分野で国内シェア59%を掌握する業界最大手であり、世界70ヵ国以上に製品を輸出している。

POINT

・愛知県を地盤とするインターホン専業メーカー、国内シェアは断トツ首位
・売上高は過去最高圏で利益も安定的、財務体質も無借金経営で健全
・平均年収676万円で福利厚生は企業規模なり、残業時間は少ない

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:59(中堅)

上場企業・著名企業に勤務するサラリーマンとしては中堅クラスの待遇を得られる。安定性や待遇に目立った課題はほぼなく、良好な人生を送ることができる可能性が高いだろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:やや難関

総合職の採用数は年間15人~25人ほど。愛知県内では優良企業として知られ、同県出身者のUターン就職先として人気。採用数が少ないために選考倍率は低くなりにくい傾向。
採用大学:【国公立】名古屋大学・静岡大学・岐阜大学・富山大学・福井大学・愛知県立大学・名古屋工業大学・豊橋技術科学大学など、【私立】明治大学・関西学院大学・学習院大学・駒澤大学・摂南大学・名城大学・中部大学・亜細亜大学・愛知学院大学・豊田工業大学・金沢工業大学など(出典:マイナビ2026

業績動向

✔売上高と営業利益

アイホンの売上高は長期的な増加傾向*1が続いており、2023年には過去最高となる613億円に到達している。営業利益は2020年まで27億~36億円ほどで推移していたが、2021年に過去最高となる55.3億円に上振れ*2。同年以降は営業利益37億~52億円ほどで推移している。
*1:2023年に売上高が増加した理由は、①半導体不足の解消による商品供給力の回復、②原材料価格の高騰を受けた値上げ対応による増収効果、③為替レートの円安推移による為替効果、など。
*2:2021年に営業利益が急増した理由は、①日本国内における新築マンション向け製品の需要増加による売上総利益の増加、②グループ間の取引価格の見直しの影響、など。

✔セグメント別の状況

アイホンは、日本事業(日本国内における事業展開)、北米事業(アメリカにおける事業展開)、欧州事業(イギリス・フランス・オーストリアにおける事業展開)、タイ事業(タイにおける事業展開)、ベトナム事業(ベトナムにおける事業展開)、その他事業(オーストラリア・シンガポールにおける事業展開)、の6事業を有する。
当社はインターホン分野で国内シェア59%を掌握する業界最大手であるが、最近では海外市場における成長にも注力している。世界70ヵ国に製品を輸出しているほか、ホワイトハウスエッフェル塔にも当社製品は採用されている。

✔最終利益と利益率

アイホンの純利益は2020年まで15億~30億円ほどで推移していたが、2021年・2023年には40億円以上に上振れ。2023年には過去最高となる純利益46.4億円に到達している。営業利益率は2019年まで5%前後で推移していたが、同年以降は7%~10%ほどに上昇。

✔自己資本比率と純資産

アイホンの自己資本比率は80%以上の高水準で極めて安定的に推移している。経営方針として無借金経営を貫いており、財務基盤は強固である。純資産は長期的な増加傾向が続いており、2023年には649億円に到達している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

アイホンの平均年収は2019年まで600万~640万円ほどで推移していたが、同年以降は670万~690万円へと上振れしている。大卒総合職の場合、30歳で年収500万~580万円ほど、課長職レベルで年収850万~930万円が目安。平均年齢は40.3歳(2023年)と大手企業の標準的な水準をやや下回る。

✔従業員数と勤続年数

アイホンの単体従業員数は1,040人~1,080人ほどで安定的に推移している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は1,990人ほど。平均勤続年数は15.3年(2023年)と大手企業の標準的な水準。

総合評価

企業格付け:CC

愛知県を地盤とするインターホン専業メーカーであり、主力製品は戸建て住宅・マンション向けのインターホン・ドアホンなど。インターホンによる防犯や利便性向上のため、カメラ機能・録画機能・スマホ連携機能なども積極展開することで業界首位のシェアを確立した老舗でもある。業績においては2023年に過去最高となる売上高・純利益を更新しており、主力製品の値上げ対応と日本国内における堅調なインターホン需要が追い風となっている。財務体質においては極めて健全であり、無借金経営を長年に渡って貫いているうえ自己資本比率80%以上で安定的。景気動向にも業績を左右されにくい利益体質を考えれば、倒産リスクとはまず無縁であろう。

就職格付け:CC

1950年代から『アイフォーン』を商標登録していた企業として知られ、米・Apple社から商標『アイフォーン』の使用許諾ロイヤリティーを受け取る関係にある(参考リンク)。給与水準においては平均年収676万円(2023年)と中堅メーカーなりの水準だが、当社の地盤である愛知県周辺で暮らす分には不自由ないだろう。福利厚生においては企業規模なりだが、20代の若手社員であれば独身寮・借上げ社宅(自己負担は1万円/月)で生活できる。年間休日日数も126日(2023年)と多めかつ有給休暇取得率は85.5%(2023年)と高水準、平均残業時間も11.5時間/月(2023年)と少ない。当社は主力拠点が愛知県内に集積しているため、同県の出身者であれば地元に根を下ろして生活できるのは強み。

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出典:アイホン株式会社(有価証券報告書)